学長メッセージ

学長 宮口英樹

学長 宮口英樹

この度、高知健康科学の初代学長を務めさせていただくこととなりました。この責任ある役割を拝命できたことを大変光栄に思います。
健康で幸せに暮らしたいと願う気持ちは世界の人びとに共通する想いです。しかしながら、思いもよらない病気や怪我、災害などによる障害、後遺症、また失業や人間関係のストレスによる精神的不調など、健康で幸せな生活を問題なく持続することは意外に難しいことだと気づかされます。地球規模でみると、さらに貧困や戦争など医療を受けることさえ出来ない人びとが多数います。健康格差は思う以上に大きいことは容易に想像できるでしょう。
近年 “Think globally, act locally. Think locally, act globally”(世界視野で考えて地域で行動する。地域で考えて世界で行動する)という言葉を環境、教育、医学、宗教など多くの分野で耳にする機会が増えてきました。病気や怪我等で障害を持って生活を送っている人は、身近な地域だけではなく世界中にいます。大学でリハビリテーション医学の主要な領域である理学療法と作業療法の最新の知識と技術を身に着けて、地域で身近な子どもたちから高齢者を対象に、仕事を通じて社会に貢献する。この言葉の意味は、一人ひとりが「私に何ができるか考えよう」というメッセージと読み替えることが出来るでしょう。大学で学ぶことは、単に職業への準備だけではありません。それは、社会の一員として責任を持ち、貢献する力を身につけることでもあります。高知健康科学大学の基本理念である「自律と共生」にはそんな想いが含まれています。
「wellbeing(ウェルビーイング)」、「健康」、そして「個人の価値観」は、私たちの大学が強く重視する三つの柱です。健康は単に疾病の不在ではなく、全人的な幸福と生活の質を高めるものと考えます。健康を科学する力で、対象者の活動範囲と内容が広がり、人との繋がりが広がることでウェルビーイングの向上に貢献する、そのような実践的な教育と研究の質を高めていきたいと考えています。
現在、この三つの柱をもとに、高知健康科学大学に未来健康創造研究センターおよび地域連携研究支援センターを設置する準備を進めています。前者は、主にトピックスとなっている疾患や障害、ICTを活用したリハビリテーション領域の実践的な研究を、後者は産学官連携を重視した大学のシーズと地域のマッチングを行う計画です。本学は、健康科学の専門知識を通じて、地域の社会的、文化的背景を理解し、研究、教育、社会活動を通じて地域連携を進めることで社会における健康問題の解決に貢献し続けます。
大きな挑戦と変革の時代において、皆様の支援と共に、明るい未来を築いていくことを楽しみにしています。どうぞよろしくお願い申し上げます。